学生チャレンジ企画 2011年度

2012年11月20日 19:51

学生チャレンジ企画とは・・・
拓殖大学内で、大学の活性化・社会貢献・国際交流等に繋がる学生の取り組みをサポートすることを目的として実施されている奨励金制度です。




「拓殖ボランティアチームによる石巻市をはじめとした被災地復興支援活動」

●活動内容
 東日本大震災発生後、拓殖大学国際学部の一部の学生が立ち上がり被災地復興支援ボランティア活動を中心とした拓殖ボランティアチーム(TVT)が発足した。
 これまでの主な活動は「3度の派遣活動」「勉強会」「埼玉県立越生高校でのワークショップ実施」である。派遣活動実施においてのTVTは「学生への参加ハードルを下げること」が組織としての役割であり、派遣活動から派遣終了後の報告会まで責任を持って実施してきた。その他にも、この学生チャレンジ企画への応募や、社会人基礎力育成グランプリへの参加もTVTの活動の一部と言える。
 これまでに「3度の派遣活動」を実施してきた。1次隊は4月30日~5月4日、2次隊は7月7日~7月10日、3次隊は10月7日~10月10日で活動してきた。3度ともに宮城県石巻市内での活動であった。派遣隊ごとに現地の受け入れ先のNGOや活動内容が異なってはいたが、どれもマンパワーを必要とする活動であった。どの隊でも共通するのは、瓦礫撤去、ヘドロ除去などの力仕事で、隊によっては現地のニーズに柔軟に応えていろいろな作業を行うこともあった。
 派遣隊実施にあたってはTVT運営委員会で企画を行い、学生に呼び掛け、決定した後、事前研修を行った。派遣終了後は学内での活動報告会を実施した。
 「勉強会」は2つの場面で実施した。1つは授業内で、1次隊派遣活動実施後、国際学部の新田目夏実教授の「開発社会学」の授業にTVTメンバーが参加させていただいた。内容としては、各グループに派遣活動者を割り振り体験談を報告させ、社会問題を見つめ直すものだった。
 もう1つはTVT運営委員会内でのものである。「普通のボランティア」と「災害ボランティア」の違いをテーマとし、「なぜ災害ボランティアをするのか」について、週に1度議論している。同時にTVTとしての活動の在り方についても議論している。
 次に11月16日に実施した「埼玉県立越生高校での120人を対象にしたワークショップ実施」だ。
 「高校生に被災地に関心を持ってもらうこと」を目的とした内容を実施した。高校生に関心を持ってもらえるような内容を作るのが困難だった。中身としては、まずTVTの活動報告、次にグループ毎に体験談報告を行い、写真を見せてクイズを実施、最後に「現地で必要とされているもの」についてディスカッションを行った。グループ毎に分かれた体験談の報告のあたりから高校生が関心をTVT側に向き始め、ワークショップは3時間という長い時間であったがあっという間に過ぎてしまった。 
 このように約9ヵ月間、「被災地復興」という目的に一歩踏み出した活動をしてきた。今後も目的に向かってあらゆる活動をしていきたいと考えている。



●成果
 TVTはこれまでの活動の成果は、3度の派遣隊活動、勉強会、高校でのワークショップ、どれをとっても挙げられる。
 まずは派遣隊活動について挙げると、現地の方々が笑顔になったことである。瓦礫やヘドロを除去した所が活動前と比べて、地域が明らかにきれいになったこと、また継続して活動することで地域の方々との信頼関係を構築することができたこと、そして学生が自発的に行動できたことである。特に最後の学生が自発的に行動できたことについては、被災地に行きたくても勇気が出ない友人たちが活動に自らの意思で参加し、次の活動には大きく関わってるという事実があることは大きな成果だと言える。この繰り返しが今後もより大きな活動に繋がっていくのではないかと考える。
 2つ目の勉強会の成果について。授業内で勉強会を行うことにより、受講者の意識が変わり、実際に派遣活動に参加者が増えたこと。メンバー1人1人の思いや疑問点を共有することで、チームで活動することにおいて良い刺激になるほか、今後の活動にも活動の反省を生かすことができる。TVTで活動するメリット・デメリットについても話し合い、組織の体制を常に良いものとする良い機会にもなってる。
 3つ目は高校でのワークショップについてである。国際学部の長坂寿久教授から生越高校進路指導部の加藤先生を紹介され、「TVTの活動を越生高校の生徒に伝えてほしい」という依頼を受けたことから始まった。話し合いを進める中、やるからには活動報告だけでなく、有意義な物を作りたいということで、1ヵ月を準備期間とし、TVT独自のワークショップを作ることに決まった。実際に高校でのワークショップを行った効果としては、高校生から「震災は他人事だったけど、関心を向けられるようになった」「TVTのように派遣体制が整っていればボランティアに行きたい」などの声を多く聞くことができた。
 このようにTVTの活動が被災地域やその人々に影響したこと、そして被災地から遠く離れている人々へも大きく影響したことが、TVTの活動を通しての大きな成果であると言える。